「完璧すぎない」は、スバラシイ

更新日:2021年11月22日

個人的に好きな本『オールドレンズはバベルの塔』を紹介します。

本書は「カメラホリックでも連載を持つライター澤村徹さんによるオールドレンズへの思い入れがギュッと詰まった1冊」という感じ。

レンズのスペックなどがズラリと並ぶカタログ本ではなく

筆者が出会ってきたオールドレンズたち、それらで撮影された特徴あふれる(アジのある)写真

それぞれのレンズにまつわる物語が詰まったフォトエッセイ的な読み物です。


正直に申し上げて、私はカメラに詳しい訳ではなく

仕事としてイベントなどの記録写真を撮るために所有している程度。

そんな私が何故この本に惹かれるのかと言うと

本から溢れ出す「オールドレンズが発する“愛嬌”」に、です。

今の時代、お金を払えばある程度期待した性能を備えた商品を手に入れることは可能だと思う。

ただ、オールドレンズにはそこを超えた“何か”がある気がします。
(↑使ったことがないのに偉そうに)



話は逸れますが

ギターの世界でも“ビザールギター”という分野があります。

価値あるヴィンテージというよりは、愛すべきポンコツ(完璧では無い)というニュアンスです。

使い続けても、いつも同じ状態ではなく、たまにピタリと心通じる瞬間もあったり
機械の脇にヒトが介在するスキマがあるのが心地良いのです。


『オールドレンズはバベルの塔』には、登場するレンズたちと筆者 澤村さんとの絶妙な距離感(ペットや家族や友人みたいな感じ?)が、描かれています。



スペック紹介だけでは語れない20本のレンズたち。

澤村さんの人柄がにじみ出る心地良いリズムの文章で楽しむことができるのが、この本の良いところ。




カメラ、オールドレンズ好きだけでなく、あらゆる道楽沼に一度でもハマったことがある方には共感いただける一冊だと思います。


ホビージャパン広報
鴨戸(仮名)



 

Cameraholics Select オールドレンズはバベルの塔

●著者:澤村徹

●出版年月日:2021/01/29

●ISBN:9784798624037

●判型:A5

●定価:2,750円(税込)



写真家でありライターの澤村徹氏によるオールドレンズ・フォトエッセイ集です。

ミラーレス機が登場して以降、店頭にはさまざまなオールドレンズ本が並んできました。

それらに共通しているのは、客観的に書かれたレンズ解説本という点です。

しかし、そもそもローファイなオールドレンズを使うという行為は、主観的な評価なしに成立しません。

本書はオールドレンズの第一人者・澤村徹氏が、圧倒的に主観的な見地からオールドレンズを語ります。

はじめてのオールドレンズとの出会いからオールドレンズ本の著者になるまでを、愛用するオールドレンズと機材、豊富な作例写真ともにマニアックに綴ります。


著者プロフィール

澤村 徹(さわむら・てつ)

1968年生まれ。法政大学経済学部卒業。オールドレンズ撮影、デジカメドレスアップなど、こだわり派向けのカメラホビーを提唱する傍ら、デジタル赤外線写真による作品を発表する。

玄光社「オールドレンズ・ライフ」「オールドレンズ・ベストセレクション」、日本カメラ社「ザ・レンズマニアックス」など、オールドレンズ関連書を多数執筆。