ここ数年、コロナ禍により人々の生活様式にも変化が起こり、奇しくもキャンプとバイクが流行している。
キャンプ場は一昔前とは違い、きちんと綺麗に整備されて要予約のところが多くなり、バイクは受注が多すぎて、多くの車種は納車待ちになっているほどだ。それとともに、キャンプとバイクに必須なアイテムの1つ、フォールディングナイフやシースナイフ、マルチツールなどのナイフにもにわかに注目が集まっている。
筆者もかれこれ20年ほどキャンプツーリングを楽しんでおり、必要なナイフも一通り所有している。と言っても、人に頼らずソロキャンプができる程度の初級~中級レベルの知識と経験なので、あまり人前で偉そうにキャンプ講釈は垂れないように気を付けている。
筆者がやっているのは、基本的にバイクツーリングを目的としたキャンプなので、自動車に大量の荷物を積んで楽しむオートキャンプとは持っていける荷物の量が圧倒的に違う。なので、以前は食材も着替えもキャンプ道具も極力少なく、省スペースを第一優先に考えていた。しかし、あまりストイックに荷物を減らしていくと、「果たしてキャンプツーリングの楽しみって、ナンだ?」という自問自答にたどり着いた。
そして、楽しみのなかで優先順位が高いのは、バイクを駆ることを除くと、「美味しい食」と「快適な住」だという自分なりの答えを出した。
それまでは、作業するナイフも調理するナイフもなるべく共通にして、荷物を減らすように考えていたが、ナイフは食事と居住環境を整えるのに重要度の高い道具だと改めて認識し、用途に合わせてナイフをそれぞれ準備することにした。
【バイク用】

マルチツール
ガーバーとレザーマンのマルチツールを所有している。どちらも内蔵ツールは同じようなもので用途としては似通っている。ガーバーのほうが片手で開閉しやすいので、使用頻度は高くなっている。
【キャンプ設営用】

フォールディングナイフ
バック、カーショー、BORAZON EDGEなど、中型から小型のものをいくつか持っている。枝や紐を切ったり、パッキングした荷物を開けたりするときなど、様々なシーンで使っている。
【調理用】

アウトドア用包丁&まな板
餅は餅屋ということで、やはり調理に関して包丁に勝るものはないという至極当然な結論に達し、まな板のなかに収納できるアウトドア包丁を使うようになった。衛生的にも、調理のしやすさ的にも非常に満足しており、もっと早くキャンプ道具にいれておけばよかったと後悔するほどだった。
このほかにも、フルタングブレードのシースナイフを購入するか迷っているが、今のところ本格的なバトニング、ブッシュクラフトをやるようなキャンプスタイルではないので、ラインナップに加えていない。
ナイフと一括りにカテゴライズしても、このように様々な種類がある。キャンプに興味のある人はぜひ、自分のスタイルにあったナイフを見つけて、快適で楽しいキャンプライフを送ってもらいたい。
現在、発売中のホビージャパン刊MOOK『ナイフカタログ2023』では、多種多様なナイフが約800点掲載されている。ナイフ選びの参考にしていただければ幸いだ。
(『ナイフカタログ2023』編集 渡辺 )

ナイフカタログ2023
●定価:2,640円(本体2,400円+税10%)
●発売:2022年11月15日
●ISBN:978-4-7986-3003-8